あ～…

 

まだ手と体の震えが止まらない。

 

 

 

今。

 

今日の楽しかった一日を思い返して

 

仲間と楽しくラインでやり取りして

 

いつものように食後のお茶を飲み、のんびりしていたら

 

 

 

『ガサ…。ザク、ザクザク…。』

 

『きゃきゃきゃ…。ザクザク…。』

 

 

 

隣んちから聞こえる嫌な音。

 

 

前にも聞いた、嫌な音。

 

まさか？

 

お外のゴールデンレトリバーのミルケン？…

 

 

ううん。だって昨日も夜、アタシが帰って来たとき

 

『きゅ～～～ん。きゅ～～～ん。』って鳴いて

 

お外が真っ暗で見えなかったけど、上から覗いて名前呼んで

 

前の日もちゃんと上から投げるおやつ元気に食べてて

 

ちゃんと元気だったもん。

 

 

 

外に出てみた。

 

隣んちの娘とその彼氏がこの寒空

 

楽しそうに庭の穴掘りしてる。真っ暗ん中で。

 

 

 

『こんばんは～。…どうしたの？』って聞いたら

 

 

最後のお外の子。ミルケンがやっぱり死んじゃったって。

 

うちはその子のこと、ミルケンって愛称で呼んでた。

 

 

 

前の子達と、おんなじ状態。

 

 

大きな大きな体なのに、２ｍくらいしか動けないで

 

お水はいつも緑のコケがついてて汚れてて

 

夏なんて何日もお水がない日が続く。

 

ご飯は残ってれば食べるまで何日もそのまんま。

 

お腹は前の子達が亡くなったあとに腹水がたまり始めてて

 

最後の方はお腹周りが倍になってた。

 

散歩は絶対につれていかない。

 

絶対に…ではないか。年に１回程度。

 

排泄物は何年もその２ｍの中でするわけだから

 

足の踏み場ないくらい、大っ変な事になってた。

 

ハエや蚊が大量にぶんぶん飛んでた。

 

予防接種は一度も受けたことがない。

 

たまには…家族が帰ってこない日もあった。

 

中のダックスとトイプードルはうんと大事にされてた。

 

でも、先に亡くなった外の２匹の方がもっとひどかったから

 

これでもまだ全然いい方だったんだ。

 

全然いいほう。

 

 

 

亡くなるの。待ってたようにしか見えない。

 

 

うちは前の子たち同様に、毎日のおやつはかかさず

 

日に幾度も話しかけて、マールと同じようにかわいがってた。

 

でも、限界はある。

 

うちの子ではない。

 

分かってても、助けてあげることもできなかった。

 

前の子が亡くなった時に『この子は…大事にしてあげてね』

 

ってお願いするしかできなかった。

 

 

 

お別れをしたくて顔を撫でに入らせてもらって少し話したら

 

『最近ずっと元気なかったんですよね～

 

今朝亡くなったみたいです～

 

ゆ～べも～。なんかおかしいな～って思ってて～』

 

 

『お腹…大きかったよね？病院連れて行かなかったの？』

 

 

『あ。は～い』

 

 

『みんな…かわいそうじゃない？あんまりじゃない？』

 

 

『………。』

 

 

 

 

王子を呼んだ。

 

毎日毎日ミルケンとコンタクトを取ってたのは王子だ。

 

 

『どうしたんだよ…ミルケン…。』

 

もう、それ以上の言葉は出てこない。

 

 

なんでだろ？

 

悲しいのに、涙も出てこない。

 

ただ、体と手の震えが止まらない。

 

怒りがおさまらない。

 

 

 

もう、人間のすることじゃない。

 

言いすぎかもしれないけど、同じ目に遭え！って思ってしまう。

 

怒りがおさまらなくて、 もっとひどい言葉も浮かんでしまう。

 

 

おとといは夜。アタシが先輩と話したあとに坂道登ってたら

 

ミルケンが『ワンワン』って鳴くから

 

『ミルケ～ン。あたしだよ～＾＾』って言ったら分かって鳴くのやめて

 

昨日は帰って来たときに『キュンキュン』鳴いてたんだけど

 

玄関が真っ暗で見えないから、覗いたけど確認できなくて

 

声だけかけてオヤスミ言って…それが最後。

 

 

苦しかったんだ。

 

 

ここのトコ、ずっと夜キュンキュン鳴いてたから

 

真っ暗ん中おやつあげに行って上から励ましてたんだけど

 

力が尽きてしまった。

 

 

 

最悪。

 

 

寒空。穴掘りがそんなに楽しいかい？

 

玄関の大量のうんちを履いてあげようと思ったことはないのかい？

 

ご主人と、娘３人と、それぞれの彼氏が３人一緒にいて

 

誰一人ミルケンをかまってあげようとか、お散歩したり

 

お水をきれいなのにしてあげたり、

 

中の２匹の子達みたいにしてあげようと

 

誰も思わなかなかったのかい？

 

虫がついてる！って、殺虫剤を顔や体にガンガンかけてたよね？

 

『舐めると毒みたいだから、触らない方がいいですよ』って

 

ミルケンなんか毎日それ舐めてたんだよ！！

 

ここのトコ元気がなかった？

 

ご飯なんて、いつの？

 

毎日おやつ食べて、催促までして吠えてたんだよ。

 

昨日も喜んでおやつ食べてたの知ってるの？

 

毎日ミルケン見てたの？

 

苦しくて限界だったのに、頑張ってくれてたんだ。

 

 

 

 

うちのマールと、ぺこねーちゃんとチョビ君のお友達が

 

また一人いなくなっちゃった。

 

 

 

あんまり悲しすぎると、涙って出ないのかな？

 

怒りが先にきてしまっていて、憤りを抑えきれない。

 

 

 

最低だ。

 

隣んちだけど、最低。

 

大人げないとは思うけど、でも大っ嫌い。

 

 

 

ミルケンは…

 

急いでみんなのトコに逝ったんだ。

 

みんなが待ってる方があったかいだろうな。

 

あんなに器量が良くておりこうなワンちゃんは、なかなかいない。

 

今頃は広～いとこで、みんなで遊んでるな。

 

そう思いたい。

 

 

 

私は…

 

お隣さんを許すことができません。

 

これから住んでるかぎり、多少の接点はあります。

 

地域のお掃除や、地域のお花見や、次はうちは班長だし。

 

でも、仲良くはできません。

 

前の子達が亡くなった時にそれは思ったんだけど

 

ほっそい、ほっそい…う～んとほっそい糸で繋がっていたのが

 

今夜…切れてしまいました。

 

切ってしまいました。

 

 

 

動物を、なんで飼ったんだろう？

 

外の子達をかわいがったりお世話をするのをやめて

 

なんで室内犬を２匹も買ってきたんだろう？

 

 

 

ごめんね。ミルケン。

 

ごめん、ごめん。ほんとにごめん。

 

ありがとね、ミルケン。

 

ばいばい。ミルケン。

 

 

 

前の子たちの亡くなった話も載せます。

 

悔しいのであえて載せます。

 

読んでください。

 

 

『隣のわんこ』